医療的ケア児の現状

医療的ケア児の増加が、大きな問題に

 

医療の進歩により、多くの小さな子どもたちが救命されるようになりました。

 

その結果、たんの吸引、経管栄養、人工呼吸器、酸素などの医療的ケアを必要とする「医療的ケア児」が増えています。

 

しかし、医療、福祉、教育、保育などの分野で医療的ケア児の受け皿は不足し、家族に多大な介護負担を強いている現状があります。

 

制度の枠組みから漏れてしまう子どもたち

 

現在の福祉制度の枠組みでは、重度心身障害や超重症児はカバーされていますが、そうでない子どもたちは制度の枠組みから漏れてしまうという現状があります。

 

医療的ケア児の在宅医療

 

在宅医療の対象者は、 「寝たきりまたは寝たきりに準ずる状態 」「通院が困難な者」となります。具体的には、以下が該当します。

 

・重症心身障害児

・医療的ケア児(後述)

・小児がん 固形がん

 

そして、小児在宅医療・在宅ケアには、以下のような特徴があります。

 

これらを踏まえて、小児の在宅医には以下のような対応が求められます。

 

・専門病院との役割分担(入院必要→病院)

・日常的な診療(指導管理料どうするか)

予防接種(家族も含む)

身障指定医・小児慢性や難病指定医

家族の診療や相談

・訪問看護ステーションとの連携

障害者相談支援専門員・保健師との連携

・福祉事業所との連携

 

また、子どもたちが大人になる移行期には下記のような課題もあります。

 

・小児科医 → 成人の診療科の医師への移行

総合的にみる医師が必要

・地域で継続的にみる医師の存在は大切

・実は、小児の在宅医療の担い手は成人の診療科の在宅医>小児科の在宅医

・できれば、小児期から、そして移行期を乗り切るにも在宅医療が必要

 

 

地域の困りごとは単一のサービス、単一の職種の関わりで解決することはむしろ困難です 。そこで必要になるのは、本人の暮らしに向き合う多職種が手を取り合って問題を解決するプロセスです。

 

 

必要とされる多職種が連携し、「出向き、聴き、つなぐ」という課題への寄り添い方を実現することで、医療的ケア児の在宅医療の現状は劇的に改善されます。

 

一人でも多くの子どもたちを笑顔にするために、今こそ一歩踏み込んだ取り組みが必要とされているのです。